2008年6月12日(木)16:26

アイルランドは国民投票でリスボン条約批准を問う

ダブリン(AFP)

欧州連合は、300万人の有権者がEU改革リスボン条約の批准を決定するアイルランドを見守っている。ブライアン・カウエン首相は出身地トゥラモアTullamoreでの投票を前に、国民に対して選挙権を行使するよう呼びかけた。国民投票はアイルランドにとって「重要な案件であり(…)、私たち国民はこれを真剣に考えねばならない」と語った。アイリッシュ・デイリー・スター紙は「EUの運命は私たちの手にある」と報じた。世論調査では僅差の結果が予想されている。アイルランドが批准を否決した場合、EUは新たな危機に陥る。

リスボン条約賛成派はアイルランドの新聞各紙から応援を受けた。1973年のEEC加盟以来アイルランドに支給されたおよそ400億ユーロのEU補助金を踏まえ、「EUはこれまでアイルランドの利益になってきた」とアイルランドのデイリー・ミラー紙は述べた。アイリッシュ・インディペンデント紙は、リスボン条約を否決すればアイルランドは「友人を失う」であろうとコメントした。アイリッシュ・タイムズ紙は「私たちは唯一国民投票を実施するので、アイルランドの有権者はEUの将来の方向を決めることができる」と述べた。

カウエン首相は国民投票のキャンペーンで、条約反対派に対してたびたび強い反論を行っている。「リスボン条約で恐れることは何一つない」と首相は水曜日あらためて強調した。首相は、条約によってアイルランドの軍事的中立や中絶禁止が脅かされるという主張を厳しく退けた。木曜日自らの投票を前に、私は批准を確信していると首相は語った。およそ1ヶ月前に首相に就任したばかりであるが、「良い誠実なキャンペーン」を行った、と首相は述べた。

アイルランド議会では民族主義政党のシン・フェイン党しかリスボン条約に反対していない。議会166名のうち同党はわずか4議席である。シン・フェイン党の反EUキャンペーンを統括するメアリー・ルー・マクドナルド代表は、政府がEUと交渉をやり直し、「もっと良い条約」を勝ち取ることができるよう、国民に対してリスボン条約に反対するよう呼びかけた。条約反対グループのリベルタスの代表を務める実業家のデクラン・ガンリー氏は、「私はアイルランド国民が反対票を投じることを確信しており、これによりすべての欧州市民のためにもっと良いEUのビジョンの策定にただちに取りかかれるものと信じている」と語った。

原題:Iren entscheiden in Referendum uber EU-Vertrag




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